あいつを好きなお前、好きを偽る私

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「また不良みたいな話に戻った。つうかそもそも恋愛とかある話なんだな、あれ」  話を聞き終わって竜一はまた一口グレープジュースを口に含む。ごくりと喉が上下すると、さくらがさらに続ける。 「そのときの夏生がね、なかなか素直にお礼が言えなくて、あっち向いたりこっち向いたりしてて、凄く可愛かったんだ」 「へえ」 「それで家に帰ってから一人で思い出して赤くなってて、もう可愛いし、かっこいいしで、ほんと今日も神だったよ!」 「そうかよ」 「夏生が現実に存在してればアニメで作られてないいろんな一面や表情も見れるのに。あ、でも表情はわりと想像つくか。だって竜一とそっくりだもんね」  その言葉に、竜一の思考が一瞬止まる。けれどさくらはそんな竜一の変化に気付くことなく、笑っているだけ。
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