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ここまで聞かされてしまうと、私は棒立ちとなっていた。
勘違いでなく、もしかしなくても賢吾が私の目を見て話している内容の相手というのは。
「そういうわけで、ここにお前がいたのも何かの導きだろう。リベンジさせてくれないか?」
「……好き勝手言ってくれちゃって。そっちがそういうつもりなら、私も賢吾に言いたいことはあるんだよ」
「ほう。そうなのか」
「でもまあ、それは後に取っておくよ。勝負だったな。しょうがないから、受けてやるよ」
二年近いのブランクに、逆転した体格。結果が見えてることは賢吾だってわかってるはずだ。
それでも、大真面目ではあるのだろう。
お陰で思い出しちまったじゃないか。あんなのが告白だなんて。
あんたがいつまでも弱いままだから、面倒見てやるって譲歩してやったのに、男って面倒臭い性格しているよ、まったく。
覚えていろよ。
勝負がついたら、これまで言えなかったことを山ほど言ってやるんだから。
今回の一件で、私が長きに渡り親友に弄られ続けることになるのは、もう少し先の話だ。
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