26人が本棚に入れています
本棚に追加
この公園は駅と住宅街の間にあるので、駅までの通り道として、多くの人が横切っていく。
そのせいか、頻繁に会う人達がいる。
私は彼らのことを「常連さん」と呼んでいる。
*常連さんその1
ボケ―っと、相棒のリクガメ・ヴェアを眺めていると、
「今日もカメさん、元気かー」
と声をかけられる。
退職後、家にいても邪魔者扱いされるから図書館に行くという男性。
手には、奥さんが用意してくれる水筒を持っている。
「夕方までに戻ればいいんだ」
そう言って、ヴェアを眺めては「大きくなったなぁ」と言って公園を素通りしていく。
*常連さんその2
「こんにちは、カメさんは?」と声をかけられる。
身体が大きく、いつも動物キャラクターのTシャツを着ている男性。
夏になってからレンジャーみたいなモスグリーンの帽子を被っている。けっこうおシャレな人なのだと思う。
声をかける割には、ヴェアが草を食む姿を見ると「良く食べるなぁ」と感心してすぐに行ってしまう。
*常連さんその3
午後12時頃に、たばこを吸いながらゆっくりやって来る男性。
特に話しかけては来ないので、会うとお互い丁寧に会釈する。
時々「カメは?」と聞かれるので、指をさすと納得したような、安心したような仕草で通りすぎていく。
最近常連さんが増えつつある。
彼らがどこに住んでいて、何という名前なのか、知らない。
少し気になる「おっさんズ」なのだ。
最初のコメントを投稿しよう!