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「わかった。もう、僕を探すのはやめるよ」
少年は、私の目をじっと見つめて言った。
「あなたとサッカーしたいって、友達が待ってるよ」
「そうだね。それに、もしかしたら僕が大人になる頃にはタイムマシーンが出来てるかも。そしたら、僕は会いたい人に会いに行くよ」
「それもいいわね。そうしたら、私も会いに行こうかしら」
「その頃、きっと先生はおばあちゃんだね。時は待ってくれないからね」
苦笑いする私に、少年はいつものように笑ったけれど、最後にポツリと呟いた。
「でもさ、先生。僕は寂しいよ」
笑っている少年の目から、涙が流れた。
私は少年を抱きしめてあげる事しか出来なかった。
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