8人が本棚に入れています
本棚に追加
目を開けたら、何もなかった。
一面の白。真っ白。あぁ、夢だ。昨日と同じだもんな。これは夢。
上半身起こして、立ち上がってみる。やっぱり同じ景色。
昨日みたいに、何となく歩こうかな。もしかしたら、あのお姉さんいるかも?
思ったとおり。あのお姉さんだ。不思議な髪の色した僕より背の高いお姉さん。……僕が低いだけかもしれないけど。
「あら?また会ったわね」
「今日も何してるの?」
「何もしてない。何でここにいるのか分からないもん。私にも」
「一人でここにいるの?」
「そうなのかな?でも、あなたと会う前の記憶はないわ」
「なんか聞いていい?」
「いいわよ。なーんでも」
「お姉さん、変わった髪の色してるよね。気になってた」
「ああ……。お気に入りなのよねー。この青い灰色というか何というか」
「お姉さん、家族は?」
「……私にも産みの親はいると思う。覚えてないけど」
「覚えてないの?」
「だって、一緒にいるのなんてほんの一瞬だもの」
「変なの」
「そればっかりよねあなた……」
「じゃあ何の食べ物が好き?」
「うーん……。あ!あれは好きだったかなぁ?ちょっとコリコリしたいいやつ」
「コリコリ?何それ」
「名前分かんない。忘れた」
「海と山どっちが好き?」
「何なのよ。その質問……。山かな?暮らしていけるから」
「うーん……。虫多くて嫌だなー」
「怖くないよ。そしたら私が食べちゃうもん」
「んー……。」
「そんなに悩む?美味しいのになー」
「えーと、僕が聞きたいのは、そんなんじゃないんだ」
「分かってる」
「私が誰か、当ててよ」
目が覚めた。疲れたー。朝だけど。
なんか妙にリアル。質感とか、声とか。まだ残ってる。
今日、また会えるかな?
最初のコメントを投稿しよう!