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私は決めた。
もう泣かない。泣いたって死ぬことにはかわりない。もし5年以上生きれたとしても近いうちに死ぬのだ。
10年を毎日泣いて過ごすより、5年を笑って過ごす方が絶対にいいに決まってる。
それなら、下を向いてばかりではいられない。
私が生きた証を少しでも残すのだ。
それから私は前よりもポジティブになり笑顔も増え、友達も増えていった。
ただ、それは長くは続かなかった。
時間が経つにつれ様態は悪くなり、毎日頭痛や吐き気に襲われる日々。
そして5年も経たないうちに私は帰らぬ人となってしまった。
私の葬式にはたくさんの人が来た。きっと余命宣告を受けた後もうじうじしてたら、こんなに人はこなかっただろう。
私は私の人生に悔いはない。
周りの人に助けられながらも最後まで精一杯生きれた。
だから、これでよかったのだ。
お疲れ様、私。
〈終わり〉
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