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「では……家族が待ってるのでこれで」
「待ちぃや。あんさん、なんで一人なん? 見たところまだ幼いやろ。親はおらんの?」
走り去ろうとしたら、お兄さんに引き留められた。
………お兄さんに、私の何が分かるの?
込み上げてくるモノを、震える唇噛み締めながら我慢して唾をのみこむ。バレないようにうつ向きながら。
「貴方には関係ないです。サヨウナラ」
「あるわっ!! そんな悲しそうな顔されてほっとける訳ないやろ!!」
そしてクルリと背を向けようとしたら、怒鳴られた。
気付けば私はポロポロと涙を溢してお兄さんに全てを話していた。
いや、正確には独り言が聞こえてたのだ。
私がこんな、赤の他人さんの前で言ってしまうなんて……誰か想像出来たかな?
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