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「すみません、知らない人と話してると心配されるのでこれで失礼します」
ガッツポーズをしながら言われるので他人行儀で済ませようとすると、急に後ろから頭を撫でられた。
何……? くすぐったいんだけど。
「お疲れさん。よう頑張ったなぁ、偉い偉い」
「………っ……サヨウナラ!」
私は鞄を抱えて走り出した。
涙がまた出て止まらない。
今度は、何の涙だろう。
誰かにそう言って欲しかったのかな。
認めて欲しかったのかな。誰に?
ふと立ち止まって振り返ると、お兄さんが笑顔で手を振ってた。
「ワイ、アレンて言うねん。この辺パトロールしてるから、何かあったら言いに来ぃや!!」
………そんな情報、要らないよ。
心の中でそう言う私の口からは、自然と笑みが漏れていた。
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