耳鳴り

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ほろ酔い加減の頭で首を傾げつつ、ベランダに寄って戸を開けてやると、可愛らしく歩み寄ってくる。 どこかの飼い猫が迷い込んでしまったのだろうか。 黒猫ではあるけれど毛並みも良く、どことなく清潔感があるし人懐っこい。 喉を撫でてやると、猫独特のゴロゴロした感触が伝わる。 …ふむ。 まぁ夜も遅いし、飼い猫なら近所かもしれないから、明日から一緒に探してやるかな。 人懐っこく可愛い猫に少し癒されながら、テレビの前のソファに戻って再び横になり、ビールを片手に適当な番組を見る。 その猫は部屋に入ってから、鳴き声1つ上げずにこちらを見つめていた。
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