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そう考えたが、しかし俺の意識はもう持たない。
俺は目を閉じ、実にあっけなく意識を手離した。
ピッ、ウィーン……ガタン、チャリンチャリン。
俺は妙な音で目が覚めた。ここは何処だろうか。
目が覚めた時、俺は這い蹲っている体勢だった。
俺は辺りを見回すが、すぐに天井にぶつかった。
ゴツン、と思いの外大きな音が出て結構驚いた。
この部屋、人が住むには些か狭すぎではないか。
そんなことを思いつつ、俺は再び辺りを見回す。
特に変わったものはないが、しかし光源もない。
俺は何故このような変な場所にいるのだろうか。
思い返して見るも、俺は何も思い出せなかった。
まぁいいかと思った俺は再び寝ようと目を閉じ、
「……ダメ、目を閉じたら、死んじゃうかもよ」
とてもか細い、蚊の羽音のような声が聞こえた。
それは鈴のような、波音のような、美しい声だ。
耳元からその声がしたのでそちらをバッと向く。
しかし、予想に反してそこには誰もいなかった。
なんだ幻聴か……俺もきっと疲れているんだな。
改めて俺は目を閉じ、深い深い微睡みに落ちた。
目が覚めないまま、誰にも見つからないままで。
俺はこの日、この時……誰も知らぬまま死んだ。
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