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でも、高二の学年末に、突然久保さんと羽生さんが言い争いを始めたんです。
それはやっぱりお昼ご飯のときだったんですけど、
なんでも、羽生さんに彼氏ができたとかいうことが発端だったみたいです。
羽生さんの彼氏は、彼女と同じ部活のわりと素敵な同級生で、
お似合いだなと私は思います。
「でもさー、あいつ、あたしに言い寄ってたこともあるんだよ?
意外と軽いヤツだから、くららも気を付けないと遊ばれるよー」
どう考えても、久保さんの負け惜しみの大嘘でした。
「え、何それ」
羽生さんの声に怒りが潜んでいることに、クラスの誰もが気がつきました。
「いやだからさー、あたしは、くららの心配をしてんの」
そんなわけないじゃん、とか、そんな話初めて聞く、とか
矢継ぎ早に羽生さんが畳み掛けます。
そしてついに、今まで聞いたことのない羽生さんの声がクラスに響き渡りました。
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