第四話 宿について

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それに加え、親指を胸に指して「頼ってくれ」というようにウインクをしながら驚く言葉を口にした。 「ふぁ!? せせせせせsなかっっっ!? いえ! 遠慮しておきます!」 「ハハハ!! そんなにパニックになることでもなかろうに! まあ、気が向いたら声をかけてきてくれ!」 たじろぐ姿をみて豪快に笑ったフルジュさんは、掌をひらひらと振りながら立ち去って行った。 「どうしたの?」 「え。え、ええっと……」 顔を真っ赤にさせてると自負しながら、取り残されたアンディアちゃんの無邪気な眼差しに戸惑いながら、視線を合わせるようにしゃがむ。 「ご……ごめんね? 不甲斐ない勇者で……」 「ううん。ふがいなくないよ。ゆうしゃさまはがんばってるのアンディアしってる」 「慰めてくたり励ましたりありがとね」 話しを逸らすことに成功したとはいえ、アンディアちゃんの励まし方に胸がジーンとなりながら、彼女を抱きしめた。 とはいえ、この世界に来たのは今日が初めてで、私の器になっている”勇者様”のことはさっぱりわからない。だからこそ、アンディアちゃんのてっぺんを撫でた。 撫で終わり、小さい花がアンディアちゃんの頭に浮かんでいるのを見つけて、微笑ましく思いながら、互いに手を振って別れた。 「……」 そのやり取りを不機嫌そうに見つめる光があるのを私は知らない――。
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