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第五話 最悪な事実
「ふぅ……。疲れたぁ……。どうして私はこんな場所にいるんだろう……。それもこれも、あの時が原因よね……。元の世界の私はいったいどうなってるの……。帰りが遅くて母さんたちは心配してくれてるのかな……警察沙汰になってたらどうしよう!」
宛がわれた部屋に入ってすぐにそのまま布団の上に倒れて、籠手を着けた手を何気なしにを天井に向ける。
今の現状について考え、思いついていると朱梨の事や両親の事、そして何より変質者に捕まった私自身の身体のことを考えると、とても不安になってバタバタと足を動かす。
「うぅ……とてつもなく不安……早く元の世界に帰りたい……。意識がないからと言って変なことされてなきゃいいんだけど……」
横になってザワツク胸を抑えつけるためにギュッと枕を抱きしめた。
「そういえば、お風呂って露天風呂なんだっけ……?」
しばらくそうしていた中、私はふと受付していた従業員さんが言っていた言葉を思い出した。
『ここの宿は、露天風呂がおススメなんです♪ いろんな効能があっていいんですよ~。少量の傷が癒えるものもありますし、肌の活発を促したり、筋肉が解れるなどもあるんですよ。ぜひ色んな効能をお楽しみくださいませ。掻いた汗も疲れも吹き飛ばしちゃってください!!』
意気揚々と話してくれた彼女は、自慢そうに笑いながら鍵を渡してくれたのだった。
「そうだ、汗も流すついでにイヤな考えもお湯に流そう! うん、そうしよう!!」
そう思い至って布団の上から起き上がると、備え付けられているクローゼットを開けて、お風呂セットの準備をし始めた。
そして私は部屋の鍵を掛けて露天風呂のある一階まで足を向ることにした。
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