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「ふ……ぐっ」
嫌な予感はズボンを脱いで、下着越しに盛れる何かを認識して、やっと確信した。
この予感がどんなことを指示しているか分からなかったけれど、覚悟が出来ていたおかげか、下唇をとっさに噛んで声を抑えることが出来た。
誰もいないとはいえ、声を上げて叫んで、何事かと騒ぎになるよりかは抑えることで回避できたと考えてもいい。
「まさか、イヤな予感はこれだったのね……。うぅ……、これ以上脱ぎたくない……」
あと一枚下着のトランクスを脱ぐだけで、お風呂という露天風呂に入れるというのにも関わらず、脱ぎたくない衝動に駆られてしまって一歩も動くことができない。
露天風呂に浸からず、そのまま部屋から持ってきた服を着て部屋に戻ることも考えられたけれど、着こまれた衣服によって、体に汗のにおいが付いているようで、流してしまいたい衝動にもかられているから、なかなか行動を起こすことが難しい……。
だけど入らないと日本人としては名折れ……とはいえ……。
「いやだなぁ……」
意識してしまうと脱ぐこともそうだけど、下を見るのもなんだか恥ずかしい。しかも人が来たらヤバい……。
「それで――え――」
「それってどうなんだ?」
「!!」
どうしようか困っていると、外から男女の声が聞こえてき始めてきた。
近づいてくる声に慌てながら隠れる場所を探すも、いい場所が見当たらなかった。
だから仕方なく素早くタオルを腰に巻いて下着を脱ぐことで、見たくないものを見ずに済んだので万事オッケー。
あとは扉を開けて敷き詰めらた石畳に足を踏み入れて逃げるように扉を閉めた。
閉めたと同時に脱衣所の扉が開く音をきいた。
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