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第一話 夏休み最終週!~遊びすぎた応酬!!~
いつもの日常、高校2年生の夏休み中、私は家族と出かけて楽しい日々を送って、夏休みが終わりにさしかかったとある日。
その日、私こと北上優香は大の親友であり友達の友瀬朱梨の家で、終わっていない夏休みの宿題の片付けをしていた。
夏休みに入ってからいままで、遊びほうけていた罰なのだけど、なかなか終わることが出来ないでいた。
「うわーーん! おわらないーー!!」
いろいろなプリントが机の上に散らかり、氷が入っていたのか、飲みかけのグラスが雫を作り、底に張り付くように水たまりがお盆の上に出来ていた。
机に向かって英語のプリントをしていて、ローマ字の羅列に目を回し、私は後ろに倒れて大の字に寝転がった。
「寝てる場合じゃないよー? そんなコトしてると、あと二日しかない夏休みがおわっちゃうよ?」
「それは分かってるんだけどさー。私、英語苦手なんだもん! 日本人は日本語だけ堪能でいいじゃない!」
「そんなこと言っても、必要なんだから、文句言わないのー」
「もうこの際、宿題のプリントと一緒にもらった、答え合わせの紙を見て……」
妙案が浮かぶとともに、勢いよく腹筋をするように起きて、極力見ないようにしていた解答用紙を探した。
「……顔が、ゲスイんだけど」
朱梨は私を一別すると呆れたように、ボソリと呟いて肩をすくめた。
「あっれー? おかしいなぁ……持ってきたはずのプリントが見当たらない……」
幾度もプリントというプリントをかぎ分けて探しても、目当てのプリントが見つからない。
「ねえ、朱梨――?」
「……貸さないよ? 私のモノでカンニングはさせないから」
私は希望を乗せて、朱梨に解答用紙を貸して欲しいと懇願する前に断られてしまった。
「そんなぁ……朱梨のいけずぅ……」
「ほらほら、いじけてないで続き続き! 今日で終わらせるんでしょー? んで、一緒に”宿題お疲れさま会”しようよ! ね!!」
「うん……」
「英語のプリントは終わらしてるから、分からなかったら聞いてね。答えじゃなくて、ヒントぐらいは出せるから」
「わかった……」
朱梨の差し伸べてくれた手を取るように、頭を捻りながら再挑戦した。
なんやかんや言っても、朱梨はヒントどころか、英語ならスペル・数学なら公式の答えの前など、丁寧に教えてくれたので、終わらないだろうと思っていた宿題はすぐに終わったのだった。
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