第二話 真っ白な世界で

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(本当に真っ暗……先が見えるのはまだいい方だけど) トンネルの中は当たり前のように真っ暗で、壁に沿って移動しているはずなのに、手触りがなく、私が今何処にいるのか、自分の居場所が何処なのか、白い世界と同じように分からない。 だけど、その代わりというかのようにトンネルの先にあった小さな光が、だんだんと大きくなっていくように見え、光を発生している場所へ近づいてきているのが分かってきた。 暗闇から光の見える先へ向かう中、好奇心から入った穴に一抹の不安を感じてきていた。 暗闇の先に見える光はいったい何なのか、光の先はなにが待ち受けているのだろうか、という考えから不安に思っていた私の気持ちは、ドキドキに変わっていった。 そして私は、暗闇を照らす一筋の、大きくなった光の前に到着した。 その光の先を覗くと、ちょっとほの暗い小さな粒子のノイズが、目の前に展開されているかのように見えた。 言葉に表せられないような感じではなかったけれど、うまくイイ言葉が思い浮かばない。 「えっと……なんか見たことのあるような気がするんだけど……何だったけ?」 答えの出るか分からなかったけれど、私は目を閉じて思案に落ちようとしたとき、すぐに気がついた。 ――――そうだ、これは、目を閉じた時に見えるヤツだ……。 目を開けて確認する。 「うん、やぱり。……同じ景色」 目を閉じた時と同じような光景が目視できた事により、確信に変わった。 「でも、なんで、こんな景色なんだろう……? って、え……」 疑問に思ったとき、私は信じられない光景を目の当たりにして目をひん剥く。 それは――――楕円形に視界がゆっくりと開け始めていること。 そして何度も瞬きをしているように見えること。 アニメなどで主人公が目を覚めるときによくみかける手法だ。 「ていうか、まって……、これってマズいんじゃ――……」 暗かった視界から楕円形の向こうに、明るい風景がぼやけがらも鮮明に見え始めてきたのだ。 私は危機感を覚えてすぐに後ろにある穴に戻ろうとした。が―― 「えっ!? 穴が――見あたらない?」 先ほど通って来たはずの穴が、なくなっていたのだ。 「なんでーーーーーー!?」 私の疑問は虚しく響くだけで、テレビの電源が急に切れたかのように、意識がブツンと途切れたのだったーー。
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