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第三話 「なにがどうなってるの?」
「う……うーん……?」
――鳥の囀りや草木がさわめく音が聞こえた、瞼を焼こうとする光に違和感に感じて目が覚めた。
「うわっ、マブシッ!」
目覚めて、始めに目の当たりにした風景は、爽快な晴れ模様で、太陽が真上にあったことによりまぶしくて目を細めるしかない。
そんな私は芝生の上で、上向けで倒れていた。――否、日向ぼっこをするかのように寝ころんでいた。
「ここは……?」
私はゆっくりと立ち上がり、キョロキョロとあたりを見渡す。
情報把握のため、今いる場所の確認を始めた。
「森……の中の……開けた所……だね。まあ、ザッと見、当たり前のことだけど……」
木々が密集した場所であると判断できた。そして、密集した木々の真ん中ーーか、どうかは分からないが、私は開けた場所に寝転がっていたようだ。
「うん……こんなもんかな」
状況確認を終わらせると、汚れたであろう服を軽く叩いて、ゴミを落とした。
「ん? あれ?」
所々、叩いていると、少し違和感を覚える。
「私……さっきまで、鎧のようなもの着てたっけ……?」
「勇者様ー!!」
「!?」
疑問を確認する間もなく遠くから、華奢な女の子のような声が聞こえてきた。
森の道らしい場所から、シスターが着ているような服と格好には似合わないアーマーや兜を身につけた女性が、私の方にパタパタと立ち寄ってきた。
「はぁ……はぁ……、探しましたよ。”勇者様。”いきなり走り出してどこかへ行かれるんですもの……。パーティーのメンバーが呆れていましたよ?」
「は……? え……?」
私の前に立ちはだかると頬を染めて、息を切らしながら、いろいろと私の知らない情報をぺらぺらとしゃべり出した。
彼女が口からあげる情報についていけない為、返答をすることが出来なかった。
「さあさ、勇者様。みなさん待っているのです。早く行きましょう?」
「? ? ?」
返事の出来ない私の腕を取って、ぐいぐいと引っ張られる。
シスター調の女性は、そんなに力強いわけではなかったけれど、何が何だかわからない私は引っ張られるように、彼女の後について行くことしか出来なかった。
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