第三話 「なにがどうなってるの?」

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「アンディアー! ソフィー! フルジュ! 勇者様を見つけましたわー!」 女性に連られて森の中をしばらく進んでいくと、まだ森の中だというのに、整備された道なりに出て、三人がまとまっている所へ女性が声をかけながら歩を進めた。 「まあ、勇者様、何処に行らしたのですか?」 「ソフィーさん。勇者様はこの森の奥にいらしてましたわ」 「貴女には聞いてないのですけれど?」 呼ばれた三人は、私たちを見つけると、さわやかに迎え入れてくれた。 ブロンドの整えられたきれいな髪の毛を風に靡かせて、いかにも、というようなお嬢様風のドレスを着込み、初めに出会ったシスターに答えられ威嚇しているソフィーと呼ばれた彼女もちらちらと私の方を見ていた。 「いつものことだが、彼女たちはわかりやすいなぁ」 そして、豪快に笑いながら、私より身長のある男性ーー恐らくフルジュと呼ばれていた人ーーが肩を叩いてきて、「さすが、勇者となると女性の目が違ぇや」と続けていた。 「……。よかった。しんぱいした、んだよ?」 「ご、ごめん、ね……?」 袖の裾を引っ張る力に気づいて、その方向を見ると、人形を持った少女が、裾をギュッと掴んで目を潤ませながら、か細く呟く姿にいたたまれなくなって、少女の頭を優しく撫でた。 「……」 「あ! アンディア! ずるいですよ! 勇者様! 私も頭を撫でてください!」 嬉しそうに目を細める少女に気づいたのかソフィーさんは、シスターの横を抜けると、こっちに近づいてきて、綺麗なブロンドの頭をずぃっと突き出してきた。 「え、あ、はい……」 「~~っ」 爛々と瞳を輝かせるソフィーさんの勢いに負けて、アンディアと呼ばれた少女と同じように撫でてあげると、言葉にならない声をだして、彼女も嬉しそうに頬を一層朱らめさせてしまった。 いまいち私を取り囲む彼らの素体がわからず、首を傾げていると、私を連れてきたまだ名前のしらないシスターさんは、アンディアちゃんとソフィーさんを引き剥がして二人から守るように前に出てきた。
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