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静：手を離して！
やめてくださいっ！
蒸し暑い公衆トイレの中で
俺の声が響く
相手の顔はよく見えない
マスクをしている
背は高く
力からして男だろう
静：手を離してくれないなら
大声出しますよ
それでも男は手を離さない
静：誰かたすぅぐ
バッ
口に男の手が突っ込まれた
男の手は俺の口内を
なぞるように触る
静：っやぁめ
唾液が上手く飲み込めず
口から垂れる
俺は抵抗する
しかし
男は容易く片手で
俺の両手を後ろで拘束する
男の手は
俺の口内をいやらしく触る
口の中を犯されているみたいだ
最悪だ
気持ち悪い
ガブッ
血の味がする
俺は男の手に噛みついた
クチュ
男はゆっくりと俺の口から手を抜く
静：っはぁはぁ
？：ちょっといたずらするつもりだったのに
悪いのはそっちだからね
男の声を初めて聞いた
なんだろ
懐かしい気がする
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