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時計ばかりを気にしてしまう
あぁもう
仕事に集中しないと
そわそわしている間に
終業時間を迎えた
ちらほらと同僚達が帰っていく
仕事を終わりたくない
秋月から逃れる方法なんて
あるのだろうか…
色々、考えてみるが
良い案が浮かばない
静:はぁー
大きくため息をつくと
上司から声をかけられた
早く帰って休んで
と言われてしまった
帰りたくなくて
俺は残業したいと言ったのだが
だめだった
俺は仕方なく
帰りの準備をする
どうしよう…
どうしよう…
見ないようにしていた秋月の方を
ちらりと見た
静:っ!
秋月は俺の視線を待っていたかのように
合わせると微笑んだ
俺は怖くなって
逃げるようにオフィスを出た
エレベーターを待つ時間が長く感じる
落ち着け
大丈夫だ
俺は震える手で
先輩に貰ったチョコレートを
口に含む
少し苦くて甘い
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