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ねっとりとした暑さ。
もわんと漂う夏雲と、みーんみーんと鳴く蝉の声。
夏が、今年もやって来た。
この季節は、他の季節には無い、身体の奥が燃え上がる様な……なんとも言えない気分にさせられる事がある。
どうしてだろうか。
人間には、夏になると衝動に駆られる本能があったりするのだろうか。
そんな事を考えながら、僕はベッドに身体を預ける。
ふう。
とりあえず、テレビでも見ようか。
ガチャ、カチ、カチ、カチ。
テレビのリモコンを手に取り、チャンネルを変えていく。
そのついでに、音量も少しだけ上げた。
テレビには、色々なCMが流れていたが、その殆どが夏に関連するものだった。
学校が、海が、町が、それら全ての背景が、夏に染まっていた。
そして再度、リモコンをカチカチと操作してチャンネルを切り替えていく。
すると、昔見た、夏アニメの名作がやっていた。
その作品は本当に、ザ・夏!という感じだ。
主人公とその主人公を取り巻く環境が、夏休みの期間中にどんどん変わっていく。作品の舞台は学校とド田舎。
いかにもな、高校生たちの『青春』を描いた作品であり、そこには感動要素や胸熱要素が沢山含まれている。
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