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それは8歳の彼女の誕生日のこと。
「ねぇマコト?いつも祝ってくれてありがとね!私ね、マコトと一緒にいるの、好きだよ、いつまでもこういう、友達以上恋人未満??みたいな…そう、親友とか、腐れ縁みたいな関係でいたいね」
それは幼い子供の言った、なんとなくの言葉だったろう。
それは彼女からしたら何気なく言った感謝の言葉だったのだろう。
けれどそれは、彼にとっての最大の【枷】だったのだ。
彼は誓った、決して片想いを告げてはならないと。
片想いを告げ振られた時、それは彼が彼女の希望した【そのまま】を壊してしまうことに他ならないからである。
それが彼が彼女の隣に立つ為の、条件。
彼にとっての基準は彼女の言葉。
頼み事は全て聞く、一緒に何かをする時には必ず彼女が好きなことを優先する。
彼女の要望は絶対。
失敗は許されない。
何故なら、それが幼馴染みの彼にとっての【そのままの関係】だからだ。
自分が支える、守る、けれど、恋人未満。
決して近寄りすぎてはいけない。
決して離れすぎてはいけない。
それが彼女の希望だから。
それが彼女の希望だと、信じているから。
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