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そんなこんなでサキについて回想しているうちに朝ごはんを食べ終わり、もう登校の時間である。
「…っし行くかぁ」
マコトは時計を確認して、ゆっくり立ち上がる、それに応じてサキも立ち上がって、食器を片付けながら母さんにコーヒーのお礼をする。
本人曰くコーヒーは飲めるそうだが、ちょっとした母さんの砂糖の配慮が丁度いいのか、それとも人に入れてもらった手前そうするというサキの配慮なのか、外で飲む時よりも美味しそうに、幸せそうに飲む。
自分でコーヒーを買って飲んだ時は渋い目をしてちびちび飲んでいたのから考えると、きっと美味しくて飲んでくれてるのだろうと思う。
なんにせよウチに来て幸せそうに飲み物を飲んでる姿は可愛くて写真を撮りたくなる、撮らないけれども。
いや、もし撮れる状況だとしよう。俺はなんとなく携帯を弄りながら、肘をついている、対面して座るサキは幸せそうに頬を緩ませコーヒーを飲んでいる、その状況下で、カシャリと音がする。
それを平然とやれるか?自らの親の前で、いやそうでなくとも、堂々と幼馴染みの写真なんか撮れるだろうか?撮れるわけがなかった、撮ったとしても本人に怒られて消されるのがオチだろう。スクリーンショットだと誤魔化しても後で画像ファイルを勝手に見られて俺のサキとの人生が終わる。終わらないけど。
(ちなみに付き合ってもいないのに防犯上の問題だと言い訳し、端末のパスワードはサキの誕生日で通している。それはサキも知っている為普通にあけて覗いてくる。サキ曰く暇でやることがない時に覗くだけらしい。)
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