私とボクと、ヘタレバカ。

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私とボクと、ヘタレバカ。

 昼休み。  私は教室にて、お弁当を食べていた。  親友と談笑しつつの、心休まる有意義な時間。……の、はずなのに。  ……こそこそ。  ――……。  ちらっ……こそ、こそ……。  ――……いらっ。  こそっ……ちらり。こそこそ……ちらっ、ちらっ。  ――…………いらいらいらいらいら。 (あぁ~、もうっ!)  ガタンという音と共に椅子から立ち上がり、教室の入口でストーカー予備軍と成り果てている不審者へと近寄り声を掛ける。 「あら、どうしたの晴人」 「げっ……なんだよ莉香、お前はお呼びじゃないぞ」  自分の名を呼ばれた不審者はビクっとするが、その声の主が私だとわかると露骨に顔をしかめた。 「随分なご挨拶ね。ここはアンタのクラスじゃないのだけれど」 「わ、わかってる、そんなこと!」 「道がわからない? なら送ってあげようか?」 「だーかーらー、わかってるっての!」 「じゃあ何よ。誰かに用でもあるの?」 「そ、それは……」  威勢の良さもどこへやら。返答に窮した晴人は、室内へチラリと視線を向ける。  その先には、我が親友――美咲の姿があった。
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