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なんだかどっと疲れたなと、席に戻った私は早々に机に突っ伏した。
「お、おかえり……?」
「……ただいまぁ」
心配そうな美咲に、脱力しきって応じる。
「さっきのって晴人くんだよね? なに話してたの?」
「んん~……よくわかんなぁい」
――正直に言えれば、どんなに楽なことだろうか。
あのバカはアンタに気があるのだと。
「莉香ちゃんってさ、晴人くんと仲良いよね」
「いやぁまったく、これっぽっちもよろしくないよ。この『机くん』の方が好感度高いぐらい」
こう突っ伏してると、ひんやり気持ち良くてなんか落ち着く。なかなかに包容力がありそうな。机くん侮り難し。
「ふ、ふぅん……そっかぁ。晴人くん、女の子との噂とか聞かないよねぇ。モテそうなのに」
「……そーぉ?」
『アレ』がモテるのか。年頃の女の子の感性ってよくわからない。
などと他人事のように思っていると、先程からあのバカのことばぁーっか気にしてやがります我が親友は、遂に頬を染めて俯きがちになり始めた。
「は、晴人くんってさ。どんな子が……す、好き……なの、かな? な、なんてっ」
「……知らにゃーい」
――正直に言えれば、どんなに楽なことだろうか。
この愛すべき我が親友は、あのバカが好きなのだと。
何故にどちらも気づかないの?
どう考えても脈がある……むしろ爆音で鳴り響いてて耳障りなレベルで。
フラグも乱立し過ぎで、剣山の様におびただしくて目障りだから一掃したいレベルで。
両想いなんだから絶対に実る恋なの。告れば百憶パーセント成功するの。
色々すっ飛ばしてさっさと結婚して、末永く爆発してくんないかなぁ。
はぁ……今日も進展無し、か。
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