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先ほどと同じ人物が言う。
「君はこの査問会が何故開かれたのか理解できていないらしい」
「いえいえ、十分理解出来てますよ? 端的に言えば、どうしても吊しあげなければいけない様なクズが居て、それを差配する為の場所が必要だったと。直裁的に言えばそういうことですよね?」
「それが理解の不十分だと言うのだ。君はこの“境界戦争”に於いてなにをしてきたか……」
「武器を作り、兵器を作り、運用を考え、実践しました。具体的に言えば、超々アダマンチウムの知性素材化や、量子プリントによる完全同一存在の大量生産や、人為的な無機物複合生命体の精製理論の確立に、次元縮退を利用した大規模破壊兵器だとか。あ! でも一番ワクワクしたのはですね! 恒星間航行の為の宇宙船設計に携われた事ですかね! 操縦士席のカップホルダー、設計したの私なんですよ?」
「エスプリは要らん! 事実だけを述べれば、君の兵器よって多くの国民が死んだのだぞ。我が国の善良な市民が! “敵国人”である君の兵器によって!」
興奮気味に喋るアルを、別の激情が押し止める。部屋のざわつきは大きさを増して、一種の喧騒のとなりつつある。
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