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声のトーンは、本当に残念がっていた。確かに、この声の言い分には、考えなくも無い未知の未来を的確に言い表している。
別の国、か。アルは心中で零し、困ったように眉根を潜めた。
「おれは後悔はしていない。思うように生きたまでだ」
「ーーそれが最後の言葉で良いな?」
女史が聞く。もちろんと、アルは不敵に笑って見せた。
「では、如何様に?」
「査問会としての結論を言い渡す」
部屋をぐるりと囲む、シルエットの群れの真ん中。アルの真正面にいるその人物が、ゆっくりと右手を上げた。
「当査問会はアルベルト=ラプラスにまつわる全ての資格、権利を剥奪。その身を“異界送り”に処し、二度とこちらの世界への帰還を許さないものとする!」
アルはその宣言を黙って聞いていた。不敵な笑顔を崩さないまま。それは決して、この言葉の意味を理解していないからでは無い。
早い話の死刑宣告である事くらい、理解できない筈が無かった。
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