440人が本棚に入れています
本棚に追加
加奈子と同じ時間に帰る為に、多少無理して仕事を終わらせた。
「もう、帰れるか?」
迎えに行くと、帰りの支度を済ませていたようだったので、二人で車へと向かった。
「新城さん!!」
そう呼び止める声が聞こえ、聞いた事のある声にウンザリした。
加奈子もそうだったのか、眉間にシワを寄せながら振り向きざま、俺の腕にしがみついてきた。
「何か用ですか?」
「あ、あの、僕にお時間を下さい!」
「嫌です!」
超早で断る彼女。
「あの、好きです!
僕、加奈子さんが好きです!」
「私は今泉譲治さんが好きです!
だから、ごめんなさい。」
ハッキリと断る加奈子が男らしく見えてくる。
「その人のどこが良いんですか?
僕のどこがダメなんですか?」
「あなたのウスイところです。
譲治さんは、私の理想その物なんです!」
「ウスイ、、?」
首をひねりながら、自分の頭や顎をさすっている。
うん、分かるぞ、その気持ち。
ウスイってどこだ、って思うよな。
「私、譲治さんのこの、マッチョな筋肉が好きなんです!!」
そう言って俺の胸板をさするのは止めてくれ。
痴女認定されるぞ。
「その筋肉を50倍位に増やしてきたら考えるかも知れませんが、今のあなたは私の好みから外れます。」
何か、俺のメンタルもゴッソリ削られた気分だぞ。
だから、もう、さするのは止めてくれ!
筋肉でヒョロンを撃退した加奈子は、頬を染め、俺を見つめた。
まるで発情してるかのように。
※注:これはあくまでラブコメです。
過剰な期待は外れます。
最初のコメントを投稿しよう!