番外編 俺の彼女

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「あら、帰ったの? おかえりなさい。」 俺が帰ったのに気が付き、おふくろが出てきた。 「おふくろ、、、。 来るなら来るって、連絡くれっていつも言ってるだろう?!」 「なによ。 それこそ、いつもの事じゃないの。 さっさと入んなさいよ。 ご飯作ったわよ。」 俺の後ろで、加奈子が硬直しているのが感じられる。 だよなぁ。 いきなりおふくろは無いよなぁ。 ため息を一つ吐き、取りあえず紹介するべく彼女を振り返った。 「あー、おふくろが来てた。 紹介しても良いか?」 小さい声で聞くと、首をブンブンと縦に振る。 もう、必死の形相だ。 「あら、誰か一緒に来たの?」 「ああ。 紹介するよ。 新城加奈子さん。 俺の彼女。」 「し、新城、加奈子、です! 初めまして!!」 テンパってるなあ。 そうだよな。 俺だって、いきなり加奈子のオヤジとか出てきたら焦るよなぁ。 「あら、あら、あら! 可愛らしいお嬢さん!! ちょっと、あんたの嫁さん?! やだぁ! ハッ?! 大変、お赤飯炊かなきゃ!! ああ! お父さんに電話しなきゃ!!」 おふくろ、うるさい。 ますます加奈子が硬直してるだろうが。 「落ち着け、おふくろ。」 おふくろをなだめ、取りあえず部屋の中に入る。 部屋の隅に纏められた加奈子の荷物が見え、洗面台には彼女の歯ブラシも出してあったな、と泊まった事が見え見えの状況に天を仰いだ。 俺は良いけど、加奈子は恥ずかしいだろうな。 例え、まだ体の関係は何も無かったとしても、、。
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