番外編 俺の彼女

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「とにかく、ご飯たべちゃいなさいな。 ほら、カナちゃんも。」 おふくろは、既に『カナちゃん』呼びだ。 これはもう、嫁として逃がさないぞ、と言う決意表明なんだろうか? まあ、30年間モテた事の無い息子が、突然彼女を連れて来て紹介したんだから、舞い上がるのも分かるがな。 これを逃せば、一生結婚とは縁の無い生活であろう事を認識しているんだろう。 「この家にはロクな鍋も調味料もないから、私が家から惣菜を作って背負ってきたのよ。 ほら、口に合わないかもだけど、食べなさい。」 「いただきます。 あ、美味しいです。」 ちょっと圧倒されてはいるようだが、本当に美味しそうに食べている。 加奈子は華奢な割りに、しっかりと食べる娘なので、見ていて気持ちが良い。 おふくろと、作りかたとかで盛り上がり始め、仲良くやれそうで良かったと胸を撫で下ろした。 食事を終え、女性同士で片付け始めたので、俺は風呂に入る事にした。 俺の部屋で、俺の彼女なのに、何だか肩身が狭い気がする。 風呂で温まっている時にふと、気付いてしまった。 今晩、二組の布団でどうやって三人寝るんだ?!
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