番外編 俺の彼女

20/32
436人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
慌ただしく仕事を済ませ、おふくろを乗せて実家へと出発した。 加奈子のお泊まりグッズは俺の部屋に揃っていたので、彼女の部屋には立ち寄らず、後日に回された。 「お父さんに、まだ何も言って無いのよ! 急に譲治のお嫁さん連れてったら、ビックリして腰抜かすかもね~。」 まだ嫁じゃないけどな。 それどころか、付き合い始めて間もなくて、プロポーズもしてないんだがな。 「嫁だなんて、、、。 お父さんに会えるの楽しみです。」 勝手に二人で盛り上がっていてくれ。 俺は運転に忙しいからな。 「加奈ちゃん美人さんなのに、なんでこんな厳つい男選んだの? 譲治が無理強いしたとか?」 「私の一目惚れです! ガッシリしてて、頼もしくて、綺麗な筋肉ですし。 厳つくても、優しいですしね。」 「こんな熊みたいなのが好みなの?」 「もう、理想そのものです! 他の人にとられてなくて感謝しました!」 「へえ? ありがとうね。 そこまで好いてくれる人が現れるなんてね。 蓼食う虫も好きずきなのね。 もう、一生恋人も出来ずに過ごすのかと思って心配してたのよね。」 何か、余計な心配をされてたようだ。 「おふくろ、着いたぞ。」 何だか静かになったと思ったら、おふくろが居眠りしていた。 車で一時間半の距離。 ここが俺の生まれ育った家だった。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!