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慌ただしく仕事を済ませ、おふくろを乗せて実家へと出発した。
加奈子のお泊まりグッズは俺の部屋に揃っていたので、彼女の部屋には立ち寄らず、後日に回された。
「お父さんに、まだ何も言って無いのよ!
急に譲治のお嫁さん連れてったら、ビックリして腰抜かすかもね~。」
まだ嫁じゃないけどな。
それどころか、付き合い始めて間もなくて、プロポーズもしてないんだがな。
「嫁だなんて、、、。
お父さんに会えるの楽しみです。」
勝手に二人で盛り上がっていてくれ。
俺は運転に忙しいからな。
「加奈ちゃん美人さんなのに、なんでこんな厳つい男選んだの?
譲治が無理強いしたとか?」
「私の一目惚れです!
ガッシリしてて、頼もしくて、綺麗な筋肉ですし。
厳つくても、優しいですしね。」
「こんな熊みたいなのが好みなの?」
「もう、理想そのものです!
他の人にとられてなくて感謝しました!」
「へえ?
ありがとうね。
そこまで好いてくれる人が現れるなんてね。
蓼食う虫も好きずきなのね。
もう、一生恋人も出来ずに過ごすのかと思って心配してたのよね。」
何か、余計な心配をされてたようだ。
「おふくろ、着いたぞ。」
何だか静かになったと思ったら、おふくろが居眠りしていた。
車で一時間半の距離。
ここが俺の生まれ育った家だった。
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