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「譲治、さん?」
不安そうにこちらを見ている加奈子。
そう、俺にはもうこの、加奈子という恋人がいるのだ。
プロポーズもしようと決意を固めている。
後は、タイミングをはかって彼女に伝えるだけなんだから。
「澄子叔母さん、悪いんだけど、、」
「澄ちゃん、その話は駄目よ。
もう、嫁が出来たんだから!!」
お~ふ~く~ろ!!
俺が話そうと思っていたのに、盗らないでくれよ。
それに、まだ嫁じゃないし。
ふう。
もう、おふくろに任せるか。
「えっ!
嫁ですって?!
じゃあ、このお嬢さんが?!」
「そうよ!
譲治だって嫁くらい捕まえてくるんだから!」
捕まえて、って、虫や動物じゃないんだから。
「ちょっと、早く紹介してよ!
お嬢さん、お名前は?
年はいくつ?
馴れ初めは?
どっちから申し込んだの?
出身はどちら?
兄弟はいるの?
ご両親の面倒はだれが、、」
「ストップ!
叔母さん、もう止めてくれ!!」
加奈子が怯えるだろうが。
「そうよ、澄ちゃん。
加奈ちゃんはうちの嫁であって、あんたにはあげないんだから。」
本当におふくろと澄子叔母さんが揃ったらかしましくて困る。
まるで小さな台風だ。
加奈子を見ると、目を丸くして固まっていた。
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