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「今日は泊まってってね。
譲治の部屋にお布団敷いたから~。」
運転手の俺に酒をすすめながら、さらっと爆弾発言をかますおふくろ。
もう、夜も更けて来たし、泊まるつもりではいたけど、俺の部屋に布団?!
「はい、お世話になります。」
俺の所に2日も泊まっていたから感覚が麻痺しているのか、既に酔っているのか、ニコニコと返事を返す加奈子。
「おふくろ、客間があるだろう。」
「あら、ダメよ。
加奈ちゃん一人じゃ淋しいでしょう。
もう、うちの嫁も同然だもの、良いじゃない。
それとも加奈ちゃん、独りぼっちで寝たい?」
「え、独りぼっちは嫌です!
譲治さん、一緒だと迷惑ですか?」
ウルウルと俺を見上げる彼女。
ああ、もう、どうにでもなれ!!
「分かった、分かった。
好きにしろ。
風呂、行ってくる。」
今晩も同じ部屋だなんて、耐えられるのか、俺?
10代じゃあ無いんだから、がっつく歳じゃないんだが、こう、煽られるとヤバイな。
まさか、初めてが実家という訳にもいかないし。
盛大なため息を付きつつ、風呂に入った。
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