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1時間以上動かず、あきらめていると、10キロ以上続いていた車列が流れはじめた。義行は、ここぞとばかりにF1のレースでよくかかるノリのいいテーマ曲をかけた。すると、助手席でうたた寝していた妻の喜子が目を覚ました。後ろの座席にいる中学生の息子が、スマホの画面を見ながら目だけを一瞬前に向け、「またかよ」と言わんばかりの表情を見せた。小学生の娘は、走り出した車窓に興奮していた。4人は、何だかんだ言いながらも、どこへ行くにもいつも一緒だった。
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