殺す覚悟

2/5
前へ
/57ページ
次へ
魔術の難点……それはパーティーを組んだ味方にも魔術が当たるのだ その衝撃と言ったら酷かった、相当な数の苦情メールが届いたにも関わらず 運営が返した一言はこうだ。「魔法という現象による当然の結果です」 もっと長いのだが、要約するとこうなる そういった事もありソロは気楽なのだ、誤爆を心配する事もなければ 被害を気にせず作った、極悪魔術だって試し打ちができる 「もう一周……いや、街に戻るか」 集中力が切れた今は、タイムも早くなりそうにも無かったので戻ろうとした ――――ビー、ビー、ビー、―――― 「ッ! なんだ……この音っ!」 けたたましいその音に悪態をつく、うるさい、うるさすぎて頭が痛くなる どう考えても何か異常が起きている 「コールッ! 緊急ログアウト!」 異常を検知した場合、即座に切断されるはずなのだが されなかった場合を考慮した切断方法 その筈なのにいつまで経ってもログアウトできない あまりの頭痛に膝を折る、ガラスにヒビが入るような音を、聞き分けれたのは たまたまだろう、そちらに目を向けると、空間が裂けていた まるで深遠を覗き込んだように真っ黒だ、どこかに続いてるような気もするし どこにも続いていないような気がする 「ッ! バグに巻き込まれたってか!? 笑えねぇ!」 まるで最初から存在していなかったかのように、景色が割れていく オレは最後まで見る事ができずに、意識を失っていく…………
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加