ラスティアの街

1/3
前へ
/57ページ
次へ

ラスティアの街

ラスティアの街はプレイヤーが始めてログインする場所で 辺境の地にある街ではあるのだが、とんでもなく危険な地域で 魔物の襲撃なんて日常茶飯事、掃いて捨ててもどこからともなくやってくる そのお陰で、この街に住む住人はどいつも精鋭揃い 人手はいつでも足りてなく、冒険者になりたいならラスティアへ あなたは冒険者になる為にラスティアへと足を踏み入れる。 というのが設定だったか、見た限りではゲームとの違いは無さそうだが 門の左右に立っている金属鎧を来た門番を見つつ 開いてある街に向かって歩みを進める 「止まれっ! ラスティアの街に何の用だ!」 鋭い声で制止を求められたが、その声が日本語で聞こえてきたことに安堵する 「森を跨いで、最寄の街に来ただけだ、通してくれないか?」 訝しげな目でこちらを見ていたが、隣の門番と目配せすると 通れ、と声をあげたので通らせてもらう 通行料とか取らないのかと思いつつ横を通りすぎる 「おいっ! ラスティアで面倒を起こすなよ」 「ああ、お疲れさん」 街に入り改めて回りを見やる、シンボルである時計塔はもちろん 住居やそこかしこから、聞こえてくる喧騒 まるで、田舎から出てきたかのように、辺りへと視線を滑らせる 音が、匂いがあるだけでこんなにも、印象が違うのかと感動する 飲食店から漂う香ばしい匂い、訝しげにこちらを見る視線 武具屋から独特の鉄の匂い、親に強引に連れられて離れていく、子供と目が合う 店舗へと入っていく馬車、目が合うなり逃げ出す客引きらしき店員 ……いや、おかしいだろ! 明らかに兵士だった門番達から、訝しげに見られるのはまだわかる まるで犯罪者を見たような親の反応や、不良に絡まれたように逃げ出されたり 今にも、こちらに拳を振り上げそうなほどに、睨み付けられる覚えはないぞ!? こちらが帯剣しているから、という理由ではない 現にオレより前に居るヤツには一切そんな視線が向けられていないからだ …………居心地は最悪だができる事から始めていこう まずは冒険者ギルドがちゃんと存在しているかどうかだな。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加