ラスティアの街

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冒険者ギルドは、すぐに見つける事ができた 飲食可能なスペースがあるのか、それなりに賑わっていた だが、オレが一足踏み入れた途端に、こっちに気づいた男が黙り込む 相席していたヤツが、こちらを振り向き黙る、それが連鎖していった 中に入って暫くすると、ポツポツと会話がされていくが 先ほどまでの喧騒が、まるで嘘のように静かに会話をしている 受付らしき場所ではかなりの列ができていたのだが 物凄い速さで列が無くなっていた 受付で色々と聞きたいのだがこの空気で並びたくないなぁ なんて思っていると、ギルドのルールについて纏めてある本を見つけた 読み進めると今のオレに必要な情報が載っていた 【冒険者の身分はギルドが保証する】と その国で登録した冒険者は、その国出身とするといった感じだろうか 正確には違うが、噛み砕いた言い方をすればそうなる 最後まで読み終わると、受付にも何人か並んでいたので、その列に入る 途中オレに気づいた前のヤツが、すごい勢いで離れて行ったのが印象深い 順番が回って来た途端に、受付嬢がしかめっ面に変わり 「用件は?」 「ギルドに登録したい」 その声を聞くと、紙とペンを取り出し机に置いた、無言で 他の相手に丁寧に接していたのは、聞こえてきてたので、特別対応だ 用紙には名前、年齢、職業、身体情報、スキルとある 果たしてこの対応で、質問したら答えてくれるのだろうか? 「全部埋める必要はあるか?」 「書きたくないならそうすればいい」 「……スキルは何の為だ?」 「能力の把握」 「身体情報」 「本人確認」 「職業は?」 「系統把握」 聞けば最低限だけは、答えてはくれるのか 能力の把握って事は、パーティの斡旋、或いは受けれるランクか? 身体情報は埋めなくても、目測で埋めそうだな、指名手配の時の為に 職業は恐らくスキルツリーの事だと思う、正直書かなくてもよさそうだが 職業によって派生する、ツリーを把握するのは大変だからな 念の為に認識が合っているかどうかを、質問したかそれでいいらしい 手早く項目を書いていって、最後にレスティア・ツヴァイと ゲームの時に使っていた名前を、記入して渡す 「バカにしているの?」 「……なにがだ?」 「読めない字で書くのはおかしい、書けないなら代筆を依頼するのが常識」
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