第5話 ネコはどっちだ?

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第5話 ネコはどっちだ?

待てよ。ちぃちゃんがママって言った?俺が朱里のママになるの?朱里は可愛い姪っ子だし、それは何の問題もない。性別は男だけどね。俺が朱里のママって事は……。匠さんの嫁?嫁かぁ、うん、悪くない響きだ。夜の営みはどうしよう。俺タチが良いなぁ。 (千景君。俺、ネコになるの初めてだから優しくしてね) (匠さん。俺も男の人相手にタチになるの初めてだよ。優しくするから力を抜いて。そう、恥ずかしがらないで足を開いてごらん) (あっ……千景……) (匠、大好きだよ) そして二人はめくるめく愛と官能の世界の扉を開きましたとさ。めでたし、めでたし。 ふっふっふっ。これだよ。匠さんはネコ!俺がタチ!決定!! 「……君?千景君?」 「えっ?はい!ではそういう方向で!」 匠が首を傾げて不思議そうな顔で俺を見ている。はっ!そういう方向で。とか口に出して言ってしまった。まだ、告白すらしてないのに。何とか誤魔化さなくては。 「いや、あのぉ。姉ちゃんが俺のことを朱里のママって言ってたみたいだから、二人さえ良ければその方向でって思って」 ふっ。我ながら苦しい言い訳だな。 「千景君」 「はい」 いくら匠さんが純粋な人だとはいえ、これは流石に……。 「ありがとう!君は本当に優しい子だね!」 匠は千景を引き寄せ抱き締めた。 信じたーーっ!この人、俺の苦し紛れの嘘を信じちゃったーーっ!!あ、でも嘘ではないか。朱里のママになりたいのは本心だから。しかも、今回は匠さんの方から俺のことを抱き締めてくれちゃってるし。はぁーーっ。良い匂い。このままベッドにダイブして俺の下で、あんっ、あっ……ん。とか喘いでくれないかなぁ。 「千景君も一緒行ってくれる?」 「はい!勿論!」 て……、どこに?ベッドに行くんですか? 「良かったぁ、俺一人で朱里を健診連れてくの少し不安だったんだよね」 健診?あぁ、そう言えば昨日の夜、朱里の3歳児の健康診断があるって言ってたな。朱里の成長ぶりを見るのに良い機会かも。これからは、俺がママになるんだしね。 「俺で良ければ、一緒に行かせてください」 「うん、ありがとう。お願いね。」 匠は満面の笑みを浮かべながら、千景の手を握った。 はぁーー。堪らない。匠さん、その笑顔朱里と俺だけに見せてよね。
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