面接官の直感

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7時起床。 フロントスタッフだった頃は深夜に出社したり、昼間からだったりと不規則な生活を余儀なくされていたので、 毎日決まった時間に寝て、起きられるという事はそれだけでありがたい。 パシッと頬を叩いて気合を入れる。 もちろん今日も、面接です。 この間の2次選考の日、会議で決まった事が1つある。 面接官たちがそれぞれ担当したグループの中で気になった学生を指名し、 彼らには一足先に次の選考に移ってもらおうという事だ。 本当に欲しい人材は出来るだけ早く内定を出して、確保しておきたいという考えらしい。 さっさと就活を終わらせたい学生がほとんどであるため、早期に内定を出すと意外と多くが承諾してくれるのだ。 そんな、いわば我が社の特別選考の舞台に 私は男女それぞれ1人ずつを招待した。 その内の女子学生はウェーブが可愛いと言っていた子だったので、 ヤツがさらに浮かれる可能性を考えると 一瞬気が引けたが、いやいや私情を挟んではならぬと思い直したのだった。
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