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ある日、ついに、おしらせさんがカタカタ鳴った。
それは、両親が旅行に出発する日だった。
おしらせさんの警告に従わずに車で出掛けた両親は、カーブする山道の途中で崖から落ちて亡くなった。
車の整備不良とのことだった。
旅行を止めなかったことを、祖父母は死ぬまで悔やんだ。
さらに、災難は続いた。
兄が高校生、私が中学生の時だった
祖父母と兄の留守中、おしらせさんがカタカタ鳴った。
怖くなった私は、祖父母の帰りを降車駅で待とうと思い、念のため家中の施錠を確認して外に出た。
祖父母とともに家に戻ると、兄がバットで撲殺されていた。
『おしらせさんに気付かんかったんかなあ』
祖父母は涙が枯れるほど泣いた。
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