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「駄目だよ、赤ずきんちゃん。赤ずきんちゃんは俺のものになるんだ。お伽話でいつだって狼は悪役。この話だとヒーローは俺。つまり、赤ずきんちゃんが俺と結ばれる結末が待っているんだ! というわけで狼。残念だったな。この銃でお前を仕留めてやるよ」
「駄目!! そんな事したら私、貴方の事大っ嫌いになるから!」
「何で……何でだよ。ヒーローは俺だよ? 何で分かってくれないの? いけない子だなぁ。そいつは君のおばあちゃんを食べたんだよ?」
あおくんの瞳が冷たくなる。どの世界でもヤンデレ!
「それでも私は……」
「駄目だよ。こいつには渡さない。洗脳されてるんだ、可哀想な赤ずきんちゃん。俺がこいつの事全て忘れさせてあげる。だから、俺と来るんだ」
あおくんは私の腕を強く引っ張る。
「させるかよ! こいつは俺の獲物だ。たっぷりいたぶってから食べるつもりだったんだ。それなのに邪魔しやがって」
衛人様も私の腕を強く引っ張る。
「い、いたぶってから食べる!? 何て最低な野郎だ。赤ずきんちゃん、こんな奴からさっさと離れるんだ」
「赤ずきん、お前はもう俺のもんだよな? 俺に食べられたいんだろ? だったら、こいつじゃなくて俺を選ぶよなぁ?」
「駄目だよ! 赤ずきんちゃん! 俺なら赤ずきんちゃんを幸せにするし。食べるような卑劣な真似はしない! 赤ずきんちゃんが望むプレイだっていくらでもしてあげるよ」
何この乙女ゲームみたいな状況。
「俺を選べよ。赤ずきん。痛いようにはしないぜ?」
「俺を選ばないなんて言わないよね? だって俺と君は運命で結ばれてるんだから」
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