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「可愛いですよ。鈴宮さんはもっと自分に自信を持ってください」
「は、はぁ」
いつになったら先生はあたしを女として見てくれるんだろう。姫菜みたいに素直で可愛くないし、あたし。
「それじゃあ、また。何かあったらいつでも」
逢坂先生は軽く会釈をすると廊下へ消えた。
「凛、顔真っ赤ー」
「だ、だって可愛いって軽々しく言うから! あたし滅多に言われないし」
「私は言ってるもん!」
姫菜は?を膨らませる。
「はいはい。はぁ、早く大人になりたい。先生ともっと近付きたいよ、あたし」
「頑張ろ? 凛。私も最初は恋が叶うなんて思わなかったからさ!」
「姫菜……」
「はい、これ! 貸してあげる」
「ドS教師に迫られて? 何、この漫画」
「何かの参考になるかもよ!」
思いっきり表紙にR18って書いてあるけど。姫菜に渡されたいかにも危なそうな漫画をあたしはそっと鞄にしのばせた。
「どうしよう……」
帰宅すると、あたしはベッドの上に姫菜に借りた漫画を置く。
「まぁ、恋愛経験少ないから勉強に読んでやるか。エロ過ぎたら姫菜に突き返そう」
あたしは恐る恐る漫画を読み始めた。漫画の内容は終始えろかった。保健体育と称して先生に色々されちゃう感じの。
「普段爽やかな少女漫画ばかり読んでるあたしには刺激が! 何よ、これ」
姫菜みたいに耐性無いのよ!? あたし。頭から離れないエロいシーン。夢に出て来たりして?
もちろん予感は的中した。
「やっぱり、予習で分からなかったとこは逢坂先生に聞いてみようかしら」
私は放課後になり、逢坂先生のいる職員室へ。
「失礼します。逢坂先生……」
職員室に入ると、逢坂先生が女子生徒達に囲まれていた。やっぱり人気!
「あっ、鈴宮さんっ」
き、聞きづらぁ! やっぱり出直す??
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