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「受け取らないシチュもある意味良いかもしれない！ 」
「いや、何の為のチョコレートよ！ 」
「だ、だってあげたら告白してるようなもんだよ！？ 」
「姫菜は一生片想いでも良いわけ！？ 」
「うっ……」
そういうわけじゃないけど！
「桜坂、パトロール行くぞ」
「はい！ 衛人様」
本当は衛人様に渡したい！ けど、絶対嫌がるの。衛人様って恋愛に興味無さそうだし。
もし、私の気持ちがバレたら服従できなくなるし！
「深見様、私のチョコレートをお受け取りください！ 」
「桜坂」
「はい。申し訳ございません。衛人様へのチョコレート贈答行為は一切禁止となっております」
「そ、そんなルール知りません！ 」
「俺が今日決めた校則だからな」
衛人様は女子をばっさり切る。
「え、衛人様はバレンタインデーには全く興味が無いのですね」
「くだらないな。俺には関係の無い行事だ」
「そうですよね。衛人様はゆくゆくは深見社長が決められた方と結婚されますし」
言ってて辛くなる。衛人様にはいつか婚約者が……。
「桜坂？ どうした？ あそこにいる摘発者のデータ寄越せ」
「は、はい。失礼致しました」
やっぱりチョコレート渡せない！
「結局、放課後になっちゃった」
衛人様に渡せないまま、放課後になってしまった。休み時間毎にパトロールをするといういつもと変わらない日。
私如きが衛人様にチョコレートを渡そうなんておかしいもん！
「帰ったらお母さんと食べよう……」
「……桜坂」
「わっ！ え、衛人様」
「今日の放課後のパトロールは無しだ。昼休みで大方取り締まれたし」
「は、はい……」
しかも、今日は衛人様に全然罵られてないから余計に元気が。こういう時、しっかり者な自分を恨む。
「で？ いつだ？ お前がチョコレートを寄越すのは」
「へ？ 」
「まさか俺の忠犬の分際で他の男にチョコレートを渡すつもりか？ 」
え、衛人様！？
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