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「姫菜ー、おは!」
「凛、おはよう!」
「……って! あんた、クマまたやばいよ?」
「昨日まで土方様スペシャルイベントで! 重課金して頑張ったんだよね」
翌日、学校に行くと、姫菜はいつものように凛と語っていた。
姫菜に毎日会える幸せ!!
「おはよう、姫菜」
「あ、あおくん! おはよう!」
「だめだよ。こんなにクマを作って。心配になるじゃないか。もしかして、俺の事を考えて眠れなかったのかな?」
「違うよ、あおくん」
「うっ! まだ洗脳されてるんだね、可哀想に」
「あおくん……あの……」
これも全部、アイツのせいだ。
「おい、何クマ作ってやがる? 姫菜」
「衛人様! おはようございます。も、申し訳ございません」
「規律正しい生活をしなきゃ駄目だろう? 風紀委員として」
「お仕置きです!?」
「瞳輝かせるな、アホ」
ヤツが来ると、姫菜の表情は変わる。
何であいつにしかあんな顔見せないんだよ、姫菜。おかしいよ!
転校する直前の俺のイメージでは……!
「あおくん、おはよう!」
姫菜は俺に強く抱きつく。
「もう、姫菜! 朝からハグなんて大胆だね?」
「だってあおくんに会いたくて会いたくて仕方なかったから! 昨日もね、あおくんの事ばかり考えて眠れなかったの……」
「姫菜……じゃあ、今日はうち来る? ちょうど親居ないし」
「えっ?」
「もっと俺の事しか考えられなくしてあげる」
「もう、あおくんってば……でも、行く。あおくんともっと一緒にいたいし」
「うん、おいで?」
妄想は続く。
「は、初めてだからやっぱり恥ずかしいね……」
ベッドの上に座り、恥じらう姫菜。
「もっと恥じらう姫菜が見たいな」
「あ、あおくん……待って!じ、自分で脱ぐから……」
「だーめ。俺がやる。もっと動揺する姫菜が見たいからね」
「あ、あおくんっ」
現実にならないかなぁ、マジで。
「あーおい! 先生来たわよ?」
「ねぇ、凛。藁人形って本当に効くのかな?」
深見衛人め……。
「あんた、バカな真似はやめなさいよ」
「悪い悪魔を成敗するのがヒーローの役目だよ? それにちょっと痛い目遭わすだけ」
「それもだめだから。ほら、早く席に戻りなさい」
俺は何としてでも姫菜を奪い返す。その為なら手段は選ばないよ。
だって、姫菜の運命の相手は俺だけなんだから。
俺は、絶対に絶対に諦めない!
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