深見秀斗は間違えたく無い。(深見社長番外編)

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「深見くん、ありがとう! あの人しつこくて困ってたんだよね」 「お前が色目使ったんじゃないのか」 「相変わらず失礼だなぁ! たまたま同じ委員会だっただけ!」 「じゃあ、俺は仕事に戻るから」 「ま、待って! 私も付き合う」 「駄目だ、邪魔だ」 「駄目って言われたらついて行きたくなるの」 「バカか」 まるで、犬だな。 「また退学対象者?」 「学園の風紀を乱す者に甘い顔はしないのだ」 「可哀想だよ! 学校でエッチな漫画読んでただけで」 俺がリストを見ながら処罰対象者の元へ向かうと、森村は処罰について反論してきた。 「一度や二度ではないし、それだけ変態という事は犯罪に手を染める可能性すらある」 「ド偏見だよ! 深見くんはそういうの興味無いの?」 「勉学の邪魔だ」 「もしかして恋愛対象はおと……」 「は?」 「じょ、冗談だよ! けど、男の子って皆が皆深見くんみたいな訳じゃないから」 「俺は……感情が無い、ロボットみたいなものだからな」 「そんな事無い! 深見くんは二度も私を助けてくれたよ?」 「仕事をしただけだ」 「うどんに七味大量にかけてにやけてる人がロボット?」 「だ、黙れ」 何故こいつは犬のように俺につきまとうんだ? 頭がおかしいとしか。 周りの人間は誰も俺と関わりたがらないのに。俺の心をかき乱すのはやめて欲しい。 「いやぁ、ひと仕事したねー」 「お前は一方的について来ただけだ」 「けど、私がついて行かなきゃあのえろ本を読みまくりなスケベ君は退学だったよね?」 「別に、お前に言われたから停学にしたわけでは無い」 「えー!」 「はぁ、俺は帰る」 「あ、雨! 嘘!? 今日傘忘れちゃった」 「あっそ」 「深見くん、傘あるんでしょ? 入れて!」 「何故? 俺が濡れるだろう」 「ひどっ!」 というか、友達と帰るのではなかったのか? こいつ。 「もう急に降り出すとか最悪!」 「止むまで図書館いよう? 部活中止なったしー! 超透けるし、早くジャージ着たい」 運動部であろう女子二人が慌てて廊下を走って行った。
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