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「日本人は伝え方というものに気を使うと、ミラが私に言ったんじゃなかったか?」
「もう、ソロモンは細かいんだから」
俺は二人のやりとりを見ながら、パスタをお願いすると、ビーストロガノフがのったパスタが運ばれたきた。
「ノリ、君はお酒は飲めるかな?」
「パパ!! ノリはいっぱい飲むわ!!! でもすぐウェ~ってなっちゃうから、あまり飲ませないでね」
「ミラ、ウェ~ではなく、嘔吐もしくは、吐いてしまう、と言いなさい」
「伝わればいいじゃない。パパもソロモンと同じよ。ホント細かいんだから」
そのやりとりで、この部屋にいた全員が笑った。
正装の男性も、メイド服の女性も、そして俺たちも。
本物の執事やメイドを見るのは人生初の出来事だが、雇われって感じよりは、皆家族のように見える。
きっとみんな長い事、この屋敷にいるのだろう。
この屋敷は、外の寒さとは対照的になんと暖かい事か。
空調も人々の心も完璧だ。
この光景を見てそう思う。
「なにがいいかね? やはりバルチカかな?」
「パパ、ビールって言わないとわからないよ」
ミラが得意そうな顔をしていうと、ドミトリーさんは困った顔をして謝る。
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