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Episode No.4
部屋に案内されると、そこは高い天井、大きなテーブルが見える。
そして、装飾の凝ったキャンドルスタンドが置いてあった。
電気で明るくなっているシャンデリアがあるので、暗くはないが正装の男性が(執事ってやつか) ろうそくに火をつけ始めている。
俺があっけにとられていると、召使いかメイドかわからないそれらしい女性に、持っていた旅行バックを渡すようにお願いされた。
さらに、別の女性に着ていたモッズコートを脱いで渡すように頼まれ、それからまた別の女性にイスを引いてもらい、席に座った。
そして、ほぼ待つ事なく料理が運ばれてきた。
ザクースキと呼ばれる燻製の肉と野菜の盛り合わせや、サラート・オリヴィエと言っていたポテトサラダみたい感じのもの。
それから有名なボルシチ。
鮮やかな真紅の色合いが、この極寒の地に生命を与えるような力強さを感じる。
「ノリ、あなたはご飯と麺どっち?」
シチューの色に見とれていた俺にミラが尋ねた。
「ミラ、それではわかりづらいだろう。ノリ、ライスとパスタならどちらがいいですか?」
ソロモンは、ミラを注意すると丁寧に訊いてきた。
「いいじゃない。意味は同じでしょ」
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