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そんな事ってアリですか?
「はあ?」
あまりにも意外な言葉を言われると、人ってこんな声でるんだ……。
そんなことしか思いつかないぐらい、現実味の無い内容の話に、私はまじまじと父と母の顔を見つめた。
「だからな、優里香。冗談でもないし、現実の話だ」
尚も続ける父に、かなり呆れた顔をしているだろうなと自分でも思いながら、私は言葉を発した。
「ねえ?このIT時代に何言ってるの?そんなバカな話を信じられる訳ないでしょ?」
どこを探してもこんな馬鹿げた話を、はいそうですか。わかりましたお父様。なんていう娘はいないと思う。
私はいつもふざけてばかりで、結婚30年にもうすぐなるのに、今だにバカップルという言葉がお似合いの両親を睨みつけた。
どんな陳腐なドラマか小説よ。ありえない!
そんな言葉を心の中で毒づきながら、ぼんやりと窓の外の夏の空に目を向けた。
あー、夏季休暇になったら海?山も捨てがたい?でも涼しい所もいいな……
「優里香!真面目に聞きなさい!」
子供のころ以来?と思うぐらい久しぶりの、母の大きな声に、私は小さくため息をついて二人の方をみた。
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