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「あの、晃さん、私は別に……というか、あの私家に帰って……」
どうしてここに連れてこられたかも、何が何だかわからず私はしどろもどろで言葉を発した。
そんな私に、翔太郎さんは少し微笑むと、
「優里香、今日はお前に頼みたい事があるんんだ」
「え?」
その微笑みが、意地悪な微笑みなのか、本当にお願いをしているのかわからず私は戸惑いを隠せなかった。
「今日の俺の親父のパーティ―に一緒に行ってくれないか?」
「パーティー?」
聞き慣れない言葉に、私は少し声が大きくなり慌てて口を押えた。
「ああ」
「でも、でも私なんかが……そんな所に行ったら……」
その言葉に、翔太郎さんは小さくため息をつくと、
「私なんかって、お前は俺の嫁だろ?」
「そうですけど、でも、それは嘘であって、私みたいな庶民がパーティーとか……」
テンパっている私をよそに、翔太郎さんは、
「晃、俺はこの仕事がどうしてももう少しかかるから、先に優里香を準備させてくれ」
「わかりましたよ。ご主人様」
少しふざけたように晃さんは言うと、
「じゃあお姫ちゃん行こうか?」
と私を見た。
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