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「ねえ？まさか清水翔太郎じゃないよね？」
「え？清水翔太郎って誰？」
その返事に、呆れたように円花は言葉をつづけた。
「ちょっと……本気で言ってる？自分の会社の副社長。世界の清水グループの御曹司」
は？
副社長？
翔太郎って名前だっけ？
あまりにも雲の上の人で名前なんて気にしたことなかったけど……。確かそんな名前だったような……。
「そんな訳……ないでしょ？まさか」
恐る恐る言葉を発した私に、円花も強張った笑顔を作る。
「そうだよね。何千人も社員いるし翔太郎ぐらいたくさんいるよね」
「そうだよ。だって……あの噂の副社長？」
「だよね。そんなわけないよねー。恐ろしいほど綺麗な顔と、同じぐらい冷徹だという噂の副社長……」
そんな雲の上の人と、家みたいな普通の家が知り合いなわけない！
「そんな人はもっと有名なご令嬢と結婚するに決まってるよ。私はどこぞの平社員の翔太郎さんに嫌われなきゃいけないんだから！」
意気込んでいった私に、円花も「がんばれ！」と言ってくれた。
残り少なくなった昼休みに、私達は慌てて残りのご飯を胃に流し込んだ。
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